脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
点頭てんかんに対するACTH療法時の下垂体前葉機能に関する検討
清水 晃関 亨大山 建司高橋 孝雄詫間 由一平井 克明相原 正男畠山 和男
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 21 巻 5 号 p. 445-452

詳細
抄録

点頭てんかん5例, その他の続発全般てんかん (ミオクロニー発作) 1例に計8回のACTH-Z療法 (投与量: 0.01mg/kg/日, 1~2週間連日筋注) を行い, 全例発作の消失, 脳波所見の改善を認めた.そして連日投与前後において血清コルチゾール (F), プロラクチン (PRL), TSH, GH, LH, FSHを測定し, また, TRH, LH-RH, インスリン同時負荷試験も行った.その結果, 連日投与終了直後にはFのみ有意に増加し, 他は全て投与前に比し有意に低下した.負荷試験では連日投与後のPRL, LH, FSHの頂値, 増加量が投与前に比し有意に低下し, TSHも低下傾向を認めた.GHは, 連日投与前後のインスリン負荷で同等に血糖低下を認めた1例で投与後の反応が不良であった.以上よりACTH-Z連日投与により, 一過性下垂体前葉機能低下をきたす事が示唆された.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top