脳と発達
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乳児交互性片麻痺の1例
発作時短潜時体性感覚誘発電位所見
石川 幸辰今井 富裕岡部 稔亀田 桂司永岡 正人南 良二皆川 公夫
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1989 年 21 巻 5 号 p. 495-497

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抄録

乳児交互性片麻痺 (AHI) の4歳女児例を報告した.AHIの麻痺時に, ジアゼパム静注が有効なことより, AHI発作時, ジアゼパム静注前・後で経時的にSSEP (短潜時体性感覚誘発電位) を測定した.その結果, C7, ErbレベルでSSEPは正常範囲内であったが, C4レベルにおいて, SSEP波形・潜時の回復過程が認められた.以上の所見から, AHIの麻痺は脳幹部より中枢側の一過性機能障害によることが, 示唆された.SSEPは非侵襲的検査であることより, AHIの補助検査法として試みられるべきと思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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