脳と発達
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発達障害が軽いAicardi症候群の5歳女児例
阿部 啓次郎満留 昭久緒方 博子大府 正治高草木 護
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キーワード: Aicardi症候群, 発達障害
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1990 年 22 巻 4 号 p. 376-380

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抄録

比較的軽度の精神運動発達障害であったAicardi症候群の5歳女児例を経験した.他の典型的なAicardi症候群の症例と比べ次の様な臨床上の特徴があった.1) てんかん発症が生後6カ月と遅く, 2) ACTH (Cortrosyn-Z) 療法に対する反応は良好で, 3) 脳梁欠損は膨大部の部分欠損であり, 4) 網脈絡膜の変化では色素沈着が強かった.一方, 文献上発達障害の軽かったAicardi症候群でも同様に, 臨床上の特徴としてのてんかんの発症が遅く, ACTH療法に良く反応し, 脳梁欠損以外の脳の形態的異常は軽度と言えた.

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© 日本小児小児神経学会
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