脳と発達
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Niemann-Pick病C型の1例
その診断法とDMSO治療の評価
橋本 和広小枝 達也松原 康策太田 茂大野 耕策大村 清
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1990 年 22 巻 4 号 p. 381-385

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抄録

3カ月より著明な肝脾腫をきたし, 2歳10カ月頃より退行症状を認め, 徐々に発語も消失し歩行不能となり, 最終的には寝たきりとなり5歳2カ月で死亡したNiemann-Pick病の1例を経験したので報告した.
患児の培養皮膚線維芽細胞の酵素学的検査においてsphingomyelinase活性軽度低下と著明なコレステロールのエステル化の障害を認め, 培養皮膚線維芽細胞のフィリピン染色にて特徴的な所見を呈し, Niemann-Pick病C型と診断した.
患児の治療に精製dimethyl sulfoxide (DMSO) を使用したが, 脾腫の縮小傾向を認めたものの退行症状を改善することはできなかった.

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© 日本小児小児神経学会
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