脳と発達
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脳幹脳炎と思われる1例における視覚誘発電位の異常について
片岡 健吉奥野 武彦三河 春樹
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1990 年 22 巻 5 号 p. 495-500

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抄録
外眼筋麻痺, 左眼瞼下垂, 意識障害をきたし, 比較的良好な経過をたどり, 軽度の左外転神経麻痺のみを残して自然回復した1女児例における視覚誘発電位の異常について検討した.臨床診断としては脳幹脳炎 (Bickerstaff脳炎) が考えられた.閃光刺激による視覚誘発電位は急性期 (発症直後) は左・右刺激とも有意な反応は示さなかったが, 3カ月後の検査で明らかな左右差とくに左眼刺激の反応の低下がみられた.その後6カ月後, 1年後と経時的に検査を重ねたところ左眼刺激の反応も次第に改善し, 1年後には左右差は消失し両側ほぼ正常反応がみられた.
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© 日本小児小児神経学会
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