脳と発達
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小児片麻痺におけるSPECTによるcrossed cerebellar diaschisisの発現について
浜野 晋一郎奈良 隆寛野崎 秀次福島 清美今井 祐之熊谷 公明前川 喜平
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1991 年 23 巻 1 号 p. 58-64

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抄録

N-isopropyl-p-I-123-iodoamphetamineによるsingle photon emission computed tomography (SPECT) を用いて25例の片麻痺の小児におけるcrossed cerebellar diaschisis (CCD) の出現について検討した.対象の25例のうち, 7例は脳性麻痺で, 18例は発症年齢10カ月から14歳の後天性脳障害である.その結果5例20%にCCDが認められた.CCDの認められた5例は7歳以後の発症で, それ以前の発症の後天性脳障害と脳性麻痺では認められなかった.Ipsilateral cerebellar diaschisisは3歳以下の発症の片麻痺の3例と脳性麻痺の2例に認められた.以上の結果から, diaschisisは3-7歳の間を境に出現の様式が異なり, 7歳以後には成人と同様のcrossed cerebellar diaschisisが認められると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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