1991 年 23 巻 4 号 p. 362-365
姿勢反射は必ずしも左右対称性に発達するわけではない. 向きぐせと姿勢反射の発達の左右差との関係を検討する目的で, 一側の後頭部扁平と寝返り開始時期の左右差について調べた. 後頭部扁平の左右差と寝返り開始の左右差の関係について, 7カ月児3,764人を対象としたアンケート方式で調査した. アンケートを回収できた2,919人のうち1,975人は寝返り開始向きに左右差を認めた. そのうち左側からが45.4%, 右側からが47.7%だった.761人に一側の後頭部扁平があり, 左扁平が41.3%, 右扁平が54.8%だった. 後頭部扁平に左右差がありしかも寝返り開始方向に差のあった520人について統計的に検討したが, 後頭部扁平の方向と寝返り開始方向とは相関しなかった.