脳と発達
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小児における周期性片側性てんかん様放電 (PLEDs) の臨床脳波学的検討
川嶋 浩一郎浜野 建三岩崎 信明竹谷 俊樹堀米 ゆみ
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1991 年 23 巻 6 号 p. 583-589

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抄録

小児神経疾患 (脳梗塞, 頭蓋内出血, 化膿性髄膜脳炎, 急性小児片麻痺症候群) の急性期に周期性片側性てんかん様放電 (PLEDs) が認められた新生児および乳児4例を対象として, PLEDsの出現頻度, 電位, 周期, 持続時間と臨床経過との関連について検討した. PLEDsの出現頻度および持続時間は4例とも意識障害度III-100-200で最も高かった. さらに電位と周期には, 負の相関関係が4例全てのPLEDsの53%にみられ, 意識障害度III-100-200では, 72%と特に多く認められた. 以上の結果からPLEDsの出現に必要な至適な侵襲度合いは, 意識障害度III-100以上200以下に相当する巣病変で, 電位と周期の関係は細胞のイオン流に関連した所見ではないかと推察された.

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© 日本小児小児神経学会
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