抄録
ペルオキシソーム生成異常であるZellweger症候群とneonatal adrenoleukodystrophyは同じペルオキシソーム欠損であるものの, 病理所見は異なる.前者では神経細胞移動異常が強く, 後者では広範な髄鞘形成不全が主要な所見である.発達的免疫組織化学的検索から, 髄鞘形成不全はオリゴデンドログリアの発達と関連すると考えられる.神経細胞移動異常の機序は不明であるが, 血管内皮細胞とラジアルグリアは在胎20週の胎児でも陽性に染まり, ペルオキシソーム病では内皮細胞は染色されないので, これらとの関連性を検討する必要がある.