抄録
Zellweger症候群, 新生児型adrenoleukodystrophy, 乳児型Refsum病はいずれも生後早期から精神運動発達遅滞, 筋緊張低下, 肝腫大, 特徴的顔貌を認めるペルオキシソーム欠損症である.これらの疾患では複数のペルオキシソーム局在酵素が障害されるが, 特に脂肪酸β-酸化系酵素の障害は病態発現の中心と考えられている.また抗カタラーゼ抗体を利用してペルオキシソーム病の診断, 免疫組織化学的解析が可能である.ペルオキシソーム欠損症の成因は未だ不明であるが, 細胞融合による相補性解析により, 少なくとも8種の相補性群が見出されており, 極めて遺伝的異質性が強いと推測される.