脳と発達
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ペルオキシソーム欠損症の臨床, 生化学ならびに遺伝的異質性
鈴木 康之
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1992 年 24 巻 2 号 p. 194-197

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抄録
Zellweger症候群, 新生児型adrenoleukodystrophy, 乳児型Refsum病はいずれも生後早期から精神運動発達遅滞, 筋緊張低下, 肝腫大, 特徴的顔貌を認めるペルオキシソーム欠損症である.これらの疾患では複数のペルオキシソーム局在酵素が障害されるが, 特に脂肪酸β-酸化系酵素の障害は病態発現の中心と考えられている.また抗カタラーゼ抗体を利用してペルオキシソーム病の診断, 免疫組織化学的解析が可能である.ペルオキシソーム欠損症の成因は未だ不明であるが, 細胞融合による相補性解析により, 少なくとも8種の相補性群が見出されており, 極めて遺伝的異質性が強いと推測される.
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© 日本小児小児神経学会
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