脳と発達
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重症心身障害児のinsulin-like growth factor Iの検討
栄養指標および成長ホルモン分泌動態と関連して
前垣 義弘木村 正彦吉野 邦夫
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1992 年 24 巻 3 号 p. 228-233

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抄録

重症心身障害児 (以下, 重心児) 23例の血漿insulin-like growth factor I (IGF-1) を測定したところコントロール群に比べ有意に低値であった. 理学的には重心児は低身長とるいそうが著しく, 検査上は血清総蛋白質 (TP), アルブミン (Alb), レチノール結合蛋白, プレアルブミンが低値であった. 重心児のなかでもIGF-I低値群は正常群に比べ身長が低くTP, Albが低い傾向にあった. 重心児10例に蛋白質を10~20口間補充したところIGF-I, TP, Albが増加した. これらのことより重心児の栄養学的評価や治療効果の評価にIGF-Iは有用であると考えられる. 尿中成長ホルモンは重心児で高く, 多くの症例の成長ホルモン分泌能は保たれていることを示唆するものであった.

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© 日本小児小児神経学会
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