脳と発達
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サイトメガロウイルス
平岩 幹男
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1993 年 25 巻 2 号 p. 141-145

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抄録

omegalovirus (CMV) 感染症の診断・治療は大きく進歩してきた.ウイルス学的診断は血清抗体価の測定からウイルス分離, PCRの応用によるCMV・DNAの検出と進歩し, 治療面でもgancyclovirが市場に供されるようになった.先天性CMV感染症は古くから知られている疾患で, 現在でもわが国で毎年300~500人の症候性感染児が出生していると考えられるが, 有効な治療法はなく予防策も確立していない.その他の神経疾患としては点頭てんかんが病因, 治療を巡ってCMVとの関連を取り上げられており, 最近髄液からPCR法の応用によりCMV・DNAを検出したと報告が出た.またRasmussen症候群についてもCMVの関与が疑われている.

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© 日本小児小児神経学会
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