脳と発達
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Distal spinal muscular atrophyの1例
鈴木 直光松村 喜一郎岩川 善英
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キーワード: 神経原性筋萎縮
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1993 年 25 巻 5 号 p. 471-475

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抄録
Distal spinal muscular atrophy (distal SMA) の13歳男児例を報告した.家族歴なし.11歳頃より両下肢遠位部の筋萎縮・筋力低下が出現し, 緩徐進行した.13歳時診察上, 両下肢遠位筋の筋萎縮・筋力低下, 軽度の膝蓋腱反射低下, 両足の凹足を認めたが, 知覚障害はなく, アキレス腱反射は保たれていた.針筋電図は下肢筋に軸索障害を, 腓腹筋生検で1argegroup atrophy, fiber type groupingを認めた.MCV (motor nerve conduction velocity), SCV (sensory nerve conduction velocity) は正常だが, F波の軽度振幅低下を認めた.また, 腓腹神経生検では脱髄は認められなかった.以上より本症例は脊髄前角細胞の障害を主体とした病態であり, distalSMAと考えられた.
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© 日本小児小児神経学会
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