平成3年9月現在, 群馬県内に保護者が在住する小・中学校在籍児童生徒およびその相当年齢児の重症心身障害児の実態調査を行った.
障害の推定原因の中で多かったものは, 施設入所児では, 分娩時仮死, 先天性だが原因不明のそれぞれ15名, 11名, 在宅療養児では, 脳性麻痺と答えたもの14名を含め, 無回答または不明が40名であった.
精神発達状況, 日常生活活動, 姿勢, 移動能力などを指標としてみると, 施設入所児のほうが在宅療養児に比べてやや重症傾向にあったが有意差はみられなかった.
しかし, 施設入所児は在宅療養児に比べて, 食事形態では有意に経管栄養, ミキサー食が多く, 常食が少なく, また合併症では, てんかん, 便秘をもつものが有意に多かった.
既往歴では, 有意差はないが, 施設入所児が在宅療養児に比べて麻疹, 水痘, ムンプスの既往のあるものが多かった.
在宅療養児76名のうち9名がかかりつけの医療機関を持っておらず, 重症心身障害児の診療が特殊な面のあることを考えると, 健康管理上問題である.
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