脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
小児重症筋無力症におけるパルス療法
間歇的投与の試み
田中 順子松崎 香士荒井 洋永井 利三郎松本 義男岡田 伸太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 26 巻 1 号 p. 14-19

詳細
抄録
ステロイド抵抗性または依存性の小児重症筋無力症 (以下MG) 眼筋型3例および全身型3例において, 経ロステロイド剤の継続投与を行わない間歓的メチルプレドニゾロンパルス (以下MP) 療法の治療効果について検討した.全身型2例, 眼筋型2例ではMP療法3クールにて寛解し, 以後再発時あるいは定期的にMP療法を行うことで症状は安定し, うち全身型2例では間歓的MP療法中止後も寛解状態を維持している.他の2例ではMP療法3クールでは完全寛解しなかったが, その後間歓的MP療法を行うことにより症状は次第に改善してきている.副作用はMP療法中に一過性の尿糖および軽度の初期増悪を認めた以外, 特に認められなかった.間激的MP療法は, ステロイド剤長期使用による副作用の出現を防ぐ上でも難治性MGにおいて試みる価値があると考える.
著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top