抄録
言語障害をもつ子供の療育について, その診断から療育の実際, 言語障害児を取り巻く社会情勢, 地域医療機関の取り組み, および保健所の取り組みまで福井県での経験を踏まえて報告した. 診断については医学的診断と発達学的診断の双方の視点が必要であることを強調した. さらに療育の実際については, チームづくりのなかでの医師の役割, 障害に応じたチーム編成などについて述べた. さらにこうした言語障害児の療育を取り巻く社会情勢のなかでの様々な問題点や取り組みについても述べた. 最後に言語障害の療育の原点は単に訓練することではなく, 障害を持つ子の意志をどう捉えるかが大切であることを強調したい.