1994 年 26 巻 6 号 p. 493-497
Phosphorylase b kinase (以下PBK) 欠損症の5例および2家系において, 生検筋, 血球を用いて酵素活性を測定し, 病型, およびそれぞれの臓器における活性測定の診断および保因者検索の有用性について検討した.肝腫大にて発症した3例は罹患臓器は肝, 遺伝形式はX連鎖劣性であり, 筋症状にて発症した2例は罹患臓器は筋肉, 遺伝形式は明らかではなかった.X連鎖劣性遺伝の肝型の症例では, 白血球よりは赤血球での酵素活性測定の方が保因者検索の信顆性が高いと考えられ, 筋型の症例では, 筋組織を用いないと診断が困難であった.