1994 年 26 巻 6 号 p. 518-521
片側巨脳症を伴ったhypomelanosis of lto (HI) の一症例を報告した。症例は1歳2カ月の女児で, 生後2日より難治性のてんかん発作が出現した.MRIにて左大脳半球のびまん性肥大と左側脳室後角の拡大と前角の未発達, 並びに異所性灰白質の遊走障害性脳奇形を認めた.また, 生後より左肩甲部から上腕, 前腕屈側にかけて線状の脱色素斑を認めた.Hypomelanosis of Itoにおける脳奇形の報告は稀であるが, 神経皮膚症候群の一つとみなされており, 脱色素斑と痙攣, 精神遅滞などの神経症状を合わせもつ例では, MRIによる検討が有用である.