脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
片側巨脳症を伴ったhypomelanosis of Itoの1例
田川 哲三大谷 和正二木 康之荒井 洋虫明 聡太郎中山 雅弘森田 好樹
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 26 巻 6 号 p. 518-521

詳細
抄録

片側巨脳症を伴ったhypomelanosis of lto (HI) の一症例を報告した。症例は1歳2カ月の女児で, 生後2日より難治性のてんかん発作が出現した.MRIにて左大脳半球のびまん性肥大と左側脳室後角の拡大と前角の未発達, 並びに異所性灰白質の遊走障害性脳奇形を認めた.また, 生後より左肩甲部から上腕, 前腕屈側にかけて線状の脱色素斑を認めた.Hypomelanosis of Itoにおける脳奇形の報告は稀であるが, 神経皮膚症候群の一つとみなされており, 脱色素斑と痙攣, 精神遅滞などの神経症状を合わせもつ例では, MRIによる検討が有用である.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top