脳と発達
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Carbamazepineにより蛋白漏出性胃腸症を呈したと考えられた1例
吉村 加与子倉繁 隆信
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1995 年 27 巻 1 号 p. 60-62

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抄録

著者らは, carbamazepine (CBZ) (5mg/kg) 開始半月後から口内炎が発症し, 1カ月後に全身倦怠を呈した症例を経験した.この時の検血で血清蛋白5.1g/dlの低蛋白血症および好酸球増多を伴う白血球増加が認められた.RIシンチグラフィーで腸管内への蛋白漏出を確認し, 蛋白漏出性胃腸症と診断した.CBZ開始とのタイミング, 好酸球の著しい増加から同薬剤によるものと考え中止した.その後, 血清蛋白は徐々に増加し, 好酸球も正常範囲に復した.本症例は, 蛋白漏出性胃腸症の症状が軽微であったため発見がおくれた.
CBZによる蛋白漏出性胃腸症の報告は, 検索し得た限りではみられなかったが, 注意を要すると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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