早期産児および満期産児44人の頭部MRI水平断における, 左右の側脳室体部, 三角部, 前角, 後角の面積対半球比を, 面積計測ソフトを用いて計測した.対象の在胎週数は26週~41週で, MRI撮像日齢は12~124であった.側脳室各部の面積対半球比の平均値では, 有意な左右差 (左>右) は後角のみに認められたが, 対象毎に面積対半球比の左右比率 (左/右面積対半球比) をみると, 比率が1.2倍以上のものが, 比率が0.8倍未満に比べて, 体部, 前角, 後角において有意に多かった.相関関係でみると, 面積対半球比は左右いずれにおいても, 在胎週数が小さいほど半球比は大きく, 日齢が大きくなると面積対半球比も大きくなり, 特に体部, 後角で顕著であった.側脳室面積対半球比の測定は, 新生児側脳室サイズの客観的評価に有用であり, さらに, 今回の検討によって, 側脳室サイズの評価にあたっては, 正常でも認められる非対称, 対象の在胎週数, 日齢を考慮する必要があることが明らかとなった.
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