1995 年 27 巻 1 号 p. 65-67
睡眠覚醒リズムおよび体温リズムの異常を畢した重症心身障害児の2例 (1例は全前脳胞症, 他の1例は高度の大脳実質破壊性病変) に対し, 薬物治療を試みた.両症例において酒石酸プロチレリンおよびメチルコパラミンば有用とはいえなかったが, 塩酸メチルフェニデートは, 睡眠覚醒リズムおよび体温リズムひいてはquality of life (QOL) の改善に有用であった.しかし, 一方では副作用として痙攣発作の頻発や食欲不振がみられ, 重症心身障害児における日内リズム異常の治療は今後さらに検討されるべき課題と考えられた.