脳と発達
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重症心身障害児 (者) における短潜時体性感覚誘発電位の検討
西村 悟子西村 正明
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1995 年 27 巻 3 号 p. 197-202

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抄録
重症心身障害児 (者) (以下重障児と略す) 53例に短潜時体性感覚誘発電位 (SSEPs) を施行し, 以下の結果により重障児の病態把握に有用と考えた.重障児においては, P9-P13頂点間潜時は正常範囲にあり, P13-N20頂点間潜時は両側正常の16例以外は何らかの異常が37例 (70%) にみられた. 原因別では, 出生前障害では脳回形成異常を中心にP13-N20頂点間潜時の遅延が多く認められるのに対し, 出生後障害ではN20の消失が多く, 重障児の感覚路障害における病態の, 原因による差異が示唆された. またSSEPsの異常は痙性四肢麻痺および大島分類1で多く認められ, 頭部CT所見との関連では, 広範囲実質障害でN20 の消失を高率に認めた.
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© 日本小児小児神経学会
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