1996 年 28 巻 3 号 p. 261-263
視知覚認知障害を認める痙直型両麻痺児11例に対し, Flash視覚誘発電位 (VEP), 短潜時体性感覚誘発電位 (SSEP) を施行し, P100潜時, N13-N20伝導時間を求めた.P100潜時は, 潜時が大きく逸脱した症例と, コントロールと一致した症例の二群に分かれた.N13-N20伝導時間は, P100潜時が逸脱した群はコントロールと一致したが, 残り6例のうち4例はコントロールより延長した.VEP, SSEPの結果から痙直型両麻痺児に合併する視知覚認知障害は, 視放線から後頭葉視覚野にいたる障害のみならず, 高次脳機能の関与も考えられた.