脳と発達
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多次元自己回帰モデルによる中枢性心拍呼吸相互応答の定量と乳幼児突然死症候群との関連
古城 昌展小川 昭之福島 直喜佐藤 圭右園田 浩富
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1996 年 28 巻 5 号 p. 379-384

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抄録
乳幼児突然死症候群 (SIDS) の危険因子である無呼吸における中枢性呼吸循環調節機構を知るために, 多次元自己回帰モデルを用いてOndine's curse, 乳児睡眠時無呼吸症候群および早期産児において心拍呼吸間インパルス応答とノイズ寄与率を求めた. Ondine's curseでは睡眠時ノイズ寄与率の低下, 乳児睡眠時無呼吸症候群では無呼吸前後のノイズ寄与率の低下, 早期産児では受胎後週数とノイズ寄与率に有意な正の相関をそれぞれ認めた. 以上からOndine'scurse, 乳児睡眠時無呼吸症候群および早期産児の無呼吸において, 中枢性心拍呼吸調節機構の障害という共通の所見が認められた. 多次元自己回帰モデルによる心拍呼吸間インパルス応答の解析は乳幼児突然死症候群の危険因子である無呼吸の予測に有用であることが示された.
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© 日本小児小児神経学会
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