脳と発達
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先天性風疹症候群に認められる頭部CT, MRI異常と臨床症状との関連
芳村 勝城遠山 潤前垣 義弘前岡 幸憲小枝 達也大谷 恭一安藤 幸典
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1996 年 28 巻 5 号 p. 385-390

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抄録
9例の先天性風疹症候群について, 臨床症状と頭部CTおよびMRI所見の関係を検討した. 全例に聴力障害を認めた他, 3例に精神遅滞, 脳性麻痺, 小頭症などの中枢神経症状を認めた. 頭部CTでは4例に側脳室の軽度の拡大を, 4例に脳室周囲や後頭葉皮質下の白質内の低吸収域を認め, 1例にレンズ核内の石灰化巣を認めた. 頭部MRIでは施行した全例に白質内のT1, T2緩和時間の延長領域が認められた.これらのうち脳室拡大が精神運動発達遅滞, 脳性麻痺といった中枢神経系の後遺症の発現とよく相関していた. これらの異常は主に血管障害に起因する二次的な白質障害を反映していると考えられた.
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© 日本小児小児神経学会
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