抄録
難治けいれんと重度の精神運動発達遅滞を認め, 頭部CT・MRIにより両側の厚脳回症・脳梁欠損とともに, 脳室周囲白質およびレンズ核に嚢胞様変化を示し, 生後5カ月で死亡した男児の臨床病理学的所見を報告した.剖検では, I型滑脳症/厚脳回症, 痕跡的な脳梁, leptomeningealglioneural heterotopia, 錐体路の低形成などの一次性の病変に加えて, 脳室周囲白質・レンズ核の嚢胞形成とその周囲の強いグリオーシスおよびCD68陽性マクロファージの出現を認めた. このような白質の多発性の嚢胞形成には頻発したけいれんによる脳障害の関与が考えられた.