抄録
脳回形成異常を有してんかんを合併した症例32例について検討した.脳回形成異常は広汎性脳回形成異常 (8例), 両側限局性脳回形成異常 (5例), 片側半球広汎性脳回形成異常 (2例), 焦点性脳回形成異常 (17例) に細分類した.てんかん発症年齢は病変分布が広いほど低い傾向がみられた.また, 一般に, てんかんは病変が両側半球にまたがっていると症候性全般てんかん, 片側半球に限局していると症候性局在関連てんかんで発症する傾向があった.しかし, 焦点性脳回形成異常の4例は発症時あるいは経過中にWest症候群の臨床像を示した.いずれの病型も発作予後は不良であった.焦点性脳回形成異常における発作予後因子を検討したが, 性別, てんかん発症年齢, 精神運動発達遅延の有無, MRIのT2強調画像にみられる高信号域の有無のいずれも予後との有意な関連は認められなかった.