脳と発達
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後天性脳障害による重症心身障害児45例の検討
鈴木 文晴秋山 千枝子
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1997 年 29 巻 6 号 p. 455-459

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抄録
後天性脳障害 (生後4週以降に発症した脳障害) による現在の年齢が6~18歳の重症心身障害児45例につき, その病因を中心に検討した.45例は2医療機関ならびに近隣の2養護学校で把握した.45例中24例 (53%) の基礎疾患が中枢神経系感染症 (細菌性9例, ウイルス性6例, 脳症9例) であった.医療関連由来の脳障害が9例 (20%) であり, そのうち心疾患の術中・術後の低酸素性脳症が6例であった.不慮の事故によるものは8例 (18%) であり, そのうちベッド柵での首はさみが2例, 溺水が2例, 交通事故が2例であった.脳血管障害は4例であった.中枢神経系感染症の早期診断法の確立, 事故の予防の普及などにより, 今回の症例のうち相当部分は予防可能であると考えた.
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© 日本小児小児神経学会
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