脳と発達
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光過敏性てんかんにおける外側膝状体の関与
双極子追跡法による検討
保田 貴美子高梨 潤一杉田 克生新美 仁男岩佐 博人中島 祥夫
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1998 年 30 巻 5 号 p. 377-382

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抄録

視覚誘発発作の発現機序を検討するため, 脳波上光突発反応を有する8例のてんかん患者の脳内電源を推定した.視覚誘発発作を有する4例をA群, 有さない4例をB群とし, 光刺激にて得られた突発波の棘波成分について三層モデル双極子追跡法にて分析した.全般性棘波分析ではA群の3例で片側の外側膝状体を含む領域に, B群では全例脳梁に脳内電源が推定された.両群それぞれの推定部位はてんかん原性焦点からの興奮の伝播経路の相違を反映すると考えられ, 視覚誘発発作の発現には外側膝状体が関与することが示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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