抄録
発熱, 意識障害, 右側優位の間代性痙攣で発症した急性脳症型の急性小児片麻痺の3歳女児において, MRI, MR-angiography (MRA), SPECT, MR-spectroscopy (MRS) の経時的変化を追うことができた.MRIでは急性期には左半球の脳浮腫所見が著明で, 回復期には左半球優位の脳萎縮が進行した.MRAでは脳血管閉塞性病変は認めなかった.SPECTでは左半球の血流低下が著明であり, またcrossedcerebellardiaschisisの所見も明らかであった.MRSでは急性期には両側に脳細胞障害所見を認め, その後右側では回復がみられたが, 左側は神経細胞が消失したと考えられた.急性小児片麻痺の経過観察にSPECT, MRSは有用であった.