脳と発達
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急性期に著明な片側性脳浮腫を呈した急性小児片麻痺におけるMRI, SPECT, MRSの経時的変化
樋口 司稲葉 雄二畑 由紀子関 千夏市川 元基
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1998 年 30 巻 5 号 p. 403-409

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抄録

発熱, 意識障害, 右側優位の間代性痙攣で発症した急性脳症型の急性小児片麻痺の3歳女児において, MRI, MR-angiography (MRA), SPECT, MR-spectroscopy (MRS) の経時的変化を追うことができた.MRIでは急性期には左半球の脳浮腫所見が著明で, 回復期には左半球優位の脳萎縮が進行した.MRAでは脳血管閉塞性病変は認めなかった.SPECTでは左半球の血流低下が著明であり, またcrossedcerebellardiaschisisの所見も明らかであった.MRSでは急性期には両側に脳細胞障害所見を認め, その後右側では回復がみられたが, 左側は神経細胞が消失したと考えられた.急性小児片麻痺の経過観察にSPECT, MRSは有用であった.

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© 日本小児小児神経学会
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