抄録
SPECTは脳血流動態を検査する一法である.その画像の評価法には視覚的評価法, 半定量法 (小脳, 視床に対する脳局所集積比を評価), 定量法 (99mTc-HMPAOを使用し動脈血採血の不要なPatlak plot法による松田らの方法により求めた脳血流量) がある.半定量法と定量法について神経系疾患患者14例を対象とし関連性を検討した.局所ごとの脳局所集積比と定量法における脳血流量との問には大半の部位で有意な相関はみられなかった.その原因は半定量法で基準とした小脳, 視床の血流量に変動があったためと思われた.正常人との比較や同一症例での経時的変化をみるには定量法が適切であり, 小児には動脈血採血の不要な松田らの方法が適切と思われた.