脳と発達
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頭部MRIにて動眼神経の腫大と造影効果を呈した眼筋麻痺性片頭痛の1例
津留 智彦野崎 靖之小林 葉子水口 雅桃井 真里子
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1999 年 31 巻 1 号 p. 54-58

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抄録
眼筋麻痺性片頭痛の9歳女児例を報告した.発症は2歳6カ月で, この時は左眼瞼下垂と斜視が約2週間続いた.5歳までの発作は頭痛や嘔吐を伴わなかった.5歳以後の発作では, 頻回の嘔吐を伴う激しい左眼窩痛と, 引き続く左眼瞼下垂と左外眼筋麻痺 (左動眼神経麻痺) を呈した.7歳から発作間激期にも完全には回復せず, 左動眼神経麻痺が残存した.9歳時の頭部MRIでは, 非発作時に左動眼神経の腫大と造影効果を認めた.発作時には動眼神経の腫大がさらに強まった.
小児期に眼瞼下垂, 外眼筋麻痺を呈した場合, 眼筋麻痺性片頭痛を鑑別診断に入れ, 造影MRIを施行して動眼神経の病変を観察する必要がある.
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© 日本小児小児神経学会
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