脳と発達
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ほぼ同時に発症した「軽症下痢に伴うけいれん」の一卵性双生児例
奥村 彰久加藤 徹早川 文雄久野 邦義渡辺 一功
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1999 年 31 巻 1 号 p. 59-62

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抄録

一卵性双生児にほぼ同時に発症した「軽症下痢に伴うけいれん」を報告した.症例はともに1歳2カ月の男児で, けいれん発症の前日から胃腸炎症状を認めていた.まず, 第1子がけいれんを起こした直後に第2子がけいれんを起こした.Diazepamとphenobarbitalとを投与したが, 第1子は合計6回, 第2子は合計4回のけいれんを起こした.一卵性双生児にほぼ同時に発症したことから, 素因を持った個体に胃腸炎といった誘因が加わった場合には, 再現性をもって「軽症下痢に伴うけいれん」が発症する可能性が示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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