抄録
一卵性双生児にほぼ同時に発症した「軽症下痢に伴うけいれん」を報告した.症例はともに1歳2カ月の男児で, けいれん発症の前日から胃腸炎症状を認めていた.まず, 第1子がけいれんを起こした直後に第2子がけいれんを起こした.Diazepamとphenobarbitalとを投与したが, 第1子は合計6回, 第2子は合計4回のけいれんを起こした.一卵性双生児にほぼ同時に発症したことから, 素因を持った個体に胃腸炎といった誘因が加わった場合には, 再現性をもって「軽症下痢に伴うけいれん」が発症する可能性が示唆された.