脳と発達
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West症候群に対するzonisamideの効果
川脇 寿富和 清隆白石 一浩村田 良輔
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キーワード: West症候群, 難治てんかん
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1999 年 31 巻 3 号 p. 263-267

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抄録
最近経験したWest症候群19例のうち, valproate sodiumが著効した3例を除く16例 (潜因性3例, 症候性13例) に対してACTH療法前にzonisamideを試み, その有効性について検討した.4例 (潜因性2例, 症候性2例) において発作の消失, 2例において50%以上の発作の減少を認めた.著効例のうち脳波異常が残存した1例が4カ月後に再発したが, 脳波が正常化した3例では1年1カ月から2年3カ月の間 (平均1年9カ月) 再発はない.有効例における平均投与量は5.8mg/kg (4~8mg/kg), 平均血中濃度は13.8μg/ml (10~21μg/ml) であった.副作用については1例において眠気を認めたが, 一過性で減量することなく軽快した.ZonisamideはWest症候群に有効な抗てんかん薬であり, ACTH療法前に試みる価値があると考えられた.
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© 日本小児小児神経学会
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