脳と発達
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A群色素性乾皮症の加齢に伴う聴性脳幹反応の変化
杉本 純子神山 潤下平 雅之岩川 善英
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1999 年 31 巻 3 号 p. 276-279

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抄録
11カ月から19歳7カ月のA群色素性乾皮症20症例 (男女各10名) で経時的に施行した延べ108耳の聴性脳幹反応 (ABR) を検討した.4歳以前に検査できた11症例40耳では各反応波は正常に導出された.4歳以降はV波のみしか導出されなくなる症例, 無反応になる症例がみられるようになり, 10歳以降に記録した30耳は全て無反応であった.反応波がよく導出される場合は, I-V波間潜時は対照群と同様に年齢とともに短縮した.V波潜時は各反応波が導出良好の時期には対照群との差はなく, 無反応例42耳中4耳では刺激強度をあげることでV波のみ導出可能となった.以上より本症のABRに関する神経系では末梢側がより早期から障害をうけると考えた.
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© 日本小児小児神経学会
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