脳と発達
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滋賀県の脳性麻痺の病型別分析; 1977~1986年
第2編障害程度と合併症について
鈴木 順子伊藤 正利富和 清隆奥野 武彦
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キーワード: 脳性麻痺, 運動障害, 合併症
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1999 年 31 巻 4 号 p. 336-342

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抄録

1977~1986年度10年間の滋賀県の脳性麻痺 (CP) 202例について臨床的観点から6歳時に評価した結果, 運動障害については歩行可能な軽症45%, ずり這い以下の重症39%で, 中等度障害は16%のみであった.
重症度は病型により著しく異なっていた.運動障害と精神発達遅滞の程度とは概して相関があったが, 精神発達が正常か軽度遅滞以上であっても歩行不可能のものもあり, そのようなものの多くは早産の痙性両麻痺であった.運動障害が軽度で精神発達遅滞が重度または中等度のものは満期産に多かった.
てんかん合併は48%(痙性両麻痺25%, 四肢麻痺86%, 片麻痺45%, 不随意運動型39%, 失調型13%), 小頭合併35%であった.
重度障害や合併症が少なくなく, 改めて発生予防が望まれた.

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© 日本小児小児神経学会
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