脳と発達
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滋賀県の脳性麻痺の病型別分析; 1977~1986年
第3編診断と治療の観点より
鈴木 順子伊藤 正利富和 清隆奥野 武彦
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1999 年 31 巻 4 号 p. 343-347

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抄録
1977年度より10年間に出生し, 就学時に滋賀県に在住した脳性麻痺 (CP) 202例 (痙性両麻痺69例, 四肢麻痺62例, 片麻痺33例, 不随意運動型23例, 失調型15例) の, 診断時期または訓練施設への紹介時期, 治療 (訓練) 開始時期, 訓練施設への受診経路, 就学状況について検討した.
四肢麻痺と不随意運動型では9割以上が1歳までに訓練施設に紹介されているが, 痙性両麻痺, 片麻痺, 失調型では4割は1歳以後であった.四肢麻痺と不随意運動型では医療機関からの紹介によるものが大半を占めたが, 痙性両麻痺と失調型では約半数, 片麻痺では4割弱で, 自主受診が片麻痺と失調型で各27%を占めた.
全体の約3割は保健所健診から送られたものであり保健所がCP発見の機会としての役割をも果たしていたことを示していた.
就学は, 地域の小学校に全体の53%(普通学級30%, 障害児学級23%), 養護学校に41%, 就学時すでに施設入所5%であった.
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© 日本小児小児神経学会
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