脳と発達
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早期診断され良好な経過をたどったshaken baby syndrome (揺さぶられっ子症候群) の1例
今高 城治山内 秀雄萩原 ゆり江口 光興
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2000 年 32 巻 6 号 p. 534-537

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抄録
父親があやす行為として, 患児を頭上約50cm投げあげ受け止める行為を数回繰り返したのちに発症した5カ月のshaken baby syndromeを報告した.入院時より呼吸管理を必要とし, 頭蓋内出血, 両側眼底出血, 痙攣重積が認められた.現病歴の聴取から本症候群と診断され治療された結果, 比較的良好な経過をたどった.父親に揺さぶりの危険性の自覚はなく, また外表上, 患児には虐待を示唆する徴候は認められなかった.本症候群を発症した状況は子育てという日常生活の中にあり, 本症候群の危険性に対し注意を喚起する必要がある.
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© 日本小児小児神経学会
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