脳と発達
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急性脳症後遺症の検討
栗原 まな中江 陽一郎小萩沢 利孝熊谷 公明衛藤 義勝
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2001 年 33 巻 5 号 p. 392-399

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抄録

急性脳症後遺症に対するリハビリテーション (リハ) を目的として紹介された22例を, 知能障害と運動障害の面から4群 (I群: 知能低下がない群, II群: 軽度の知能低下を残した群, III群: 最重度の知能低下を残した群, IV群: 最重度の知能低下と運動障害の重複障害を残した群) に分類し, 脳症発症までの既往歴, 脳症発症状況, 治療・リハの内容, 機能的自立度 (functional independence measure: FIM) を用いた機能の経時的評価を比較検討した.既往歴, 発症状況においては各群間に有意差は認められなかったが, 当院での入院リハの期間はI群からIV群になるにつれて長くなっていた.リハの内容は初期にはてんかんの治療, 経管栄養・排痰・吸引指導など医療面の対応と粗大運動訓練が中心であり, 機能の改善に応じて認知訓練等に移行していったが, FIMによる評価はリハに有用であった.

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© 日本小児小児神経学会
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