脳と発達
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West症候群を合併した7番染色体長腕端部トリソミー症候群の1例
沼部 博直山田 直人荻原 正明星加 明徳
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2001 年 33 巻 5 号 p. 437-441

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抄録

症例は5歳女児.5カ月時に頭部前屈を伴う強直発作を認め, 脳波検査にてhypsar-rhythmiaを認めたためWest症候群と診断された.両眼瞼内側内反症, 眼間開離, 二分口蓋垂, 高く短い人中, 耳介変形などの変異徴候を認めたため, 染色体検査を施行した.その結果, 20番染色体長腕端部に染色体過剰部分を認め, SKY (spectral karyotyping) 法により由来を調べた結果, 患児の核型は46, XX, der (20) t (7; 20) (q32.3; q13, 33) de novoであることが判明した.7q32を切断点とする7番染色体長腕端部トリソミー症候群の症例は過去23例が知られているが, 痙攣発作の合併の報告は2例のみでありWest症候群の合併例としては本症例が初例となる.

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© 日本小児小児神経学会
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