抄録
Idiopathic toe-walking (ITW) の小児の神経発達予後を検討することを目的として, 26例 (男15例, 女11例) の小児の診療録を後方視的に分析した. 対象児の最終フォローアップ時年齢は平均7歳4カ月であった. その予後は精神発達正常22例 (うち運動不器用5例, 多動傾向4例), 精神発達境界域4例 (うち運動不器用2例) であり, なんらかの神経発達学的問題をもつ小児は13例 (50%) にのぼった. ITWの小児には高率に神経発達学的問題を伴うことから, 本症を伴う小児には十分なフォローアップと適切なケアが必要と考えられた.