脳と発達
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欠神発作を主症状とした前頭葉てんかんの1例
発作時脳波による検討
丸山 幸一糸見 和也石黒 よし子奥村 彰久根来 民子渡辺 一功
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2002 年 34 巻 1 号 p. 72-76

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抄録

欠神発作を主症状とし, 意識減損, 頭部左方回旋, 左上下肢の強直を伴う複雑部分発作を示す9歳男児例を経験した.発作問激時脳波で右前頭極優位の不規則高振幅徐波を認めた.欠神発作の発作時脳波は前頭部優位の3-3.5Hz棘徐波複合で, 棘徐波複合の最初の棘波成分は右側頭前部で位相が逆転するのに対し, 二番目以降の棘徐波では左前側頭部で位相が逆転していた.頭部MRIでは異常を認めなかったが, 発作間激時SPECTおよびPETで右前頭葉の背側から内側面にかけて集積低下を認めた.脳波および画像所見から, 本例の欠神発作は右前頭葉に由来する前頭葉欠神である可能性を考えた.

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© 日本小児小児神経学会
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