脳と発達
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Benign myoclonus of early in fancyの3例
富士川 善直須貝 研司岩崎 裕治
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2003 年 35 巻 3 号 p. 243-248

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抄録
Benign myoclonus of early infancyは良性の非てんかん性痙攣である.乳児期に点頭てんかんのtonic spasmsに似た発作がシリーズを形成したり群発し, 点頭てんかんと誤認されて治療されることもあるが, 発達は正常で, 脳波異常も伴わず自然消退する.報告が少なく, 知られていないために上記の問題や家族の不安を生じる.本症の3例を報告した.発作の特徴から点頭てんかんが疑われ, 発作が繰り返されるため, 家族の不安が強かった.3例とも発作は3カ月ほどで激減し, 1年以内に後遺症を残さず自然に消失した.点頭てんかんが疑われる患者の中には, このような良性のものが含まれている場合がある.このような患者に対して, 1カ月に1回脳波を検査して異常がないことと他の発作や発達の異常が生じないことを確認し, 不必要な抗てんかん薬等の治療をさけ, 無治療で経過を観察してよいと思われる.
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© 日本小児小児神経学会
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