脳と発達
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亜急性硬化性全脳炎に対するribavirin併用療法に関する全国調査
友田 明美野村 恵子白石 晴士三池 輝久濱田 哲暢細矢 光亮
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2003 年 35 巻 4 号 p. 321-326

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抄録

亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) は難治性で, その治療はinosine pranobexとinterferon (IFN) の併用以外, 有効な治療は確立されていない. 近年SSPEに対するIFNと抗ウイルス薬ribavirinの併用療法が国内でも試験的に行われるようになった. 我々はIFNとribavirin脳室内投与の併用療法に関して, 計9施設10症例に対してアンケート調査を行った. その結果, 多くの症例でribavirin脳室内投与により髄液濃度が有効濃度に達することが示された. しかしながらribavirinの投与量, 投与方法に関しては, さらに多施設での症例の蓄積が必要であり, その効果の検証はこれから必要と思われた. また安全域が狭いribavirin併用療法を今後も行うにはtherapeutic drug monitoring (TDM) を実施し, 有効性と安全性の保証に努める必要があると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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