脳と発達
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Clobazamの投与により笑い発作が誘発された難治てんかんの1例
岩崎 俊之三浦 寿男砂押 渉細田 のぞみ武井 研二片山 文彦
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2003 年 35 巻 5 号 p. 406-410

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抄録
患児は13歳の男児で, 胎児仮死に伴う低酸素性虚血性脳症により, 出生直後よりけいれんを認め, 重度の精神遅滞と痙性四肢麻痺を遺した.生後7カ月時にWest症候群に罹患している.てんかん発作は全身性の強直発作が主体で, nitrazepamとzonisamideを使用していたが, 発作の抑制が不十分であった.Clobazam (CLB) を併用し, 以後従来の強直発作は消失したが, 入眠時に口角がひきつり表情がこわばってげらげら笑う, いわゆる笑い発作が頻発した.従来, CLBによる笑い発作誘発例の報告はない.
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© 日本小児小児神経学会
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