脳と発達
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重症心身障害児 (者) における無気肺の発生要因の検討と気管支鏡による治療の有効性
水野 勇司高松 美紀曳野 晃子
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2004 年 36 巻 4 号 p. 304-310

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抄録
重症心身障害児 (者) の呼吸器合併症として, 無気肺はしばしば経験される.非可逆性の無気肺3例の経験を機に, 無気肺治療に軟性気管支鏡を導入した.21例を対象に, 無気肺の発生要因を検討し, 気管支鏡治療の効果について検討した.19例が気管支炎・肺炎に併発, 1例が気管出血, 1例が肺癌に合併した無気肺であった.大島の分類1, 4の寝たきり児 (者) が90%で, 咳噺反射の低下・消失例が81%を占めた.胸椎右凸側彎が多く, 反対側に無気肺が発生しやすい傾向がみられた.診断から2週間以内に気管支鏡治療を導入した18例中16例は, 無気肺が改善した.重症心身障害児 (者) の無気肺治療に, 気管支鏡は有用である.
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© 日本小児小児神経学会
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