2007 年 39 巻 1 号 p. 38-43
脳卒中様発作時に, 通常のてんかん重積時の治療薬では抑制困難なてんかん発作重積 (けいれん, 複雑部分発作) を繰り返すmitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis and stroke-like episodes (MELAS) の女児を経験した.脳卒中様発作の早期にL-arginineを静脈内投与することでてんかん発作重積の軽減をみた.MELASの脳卒中様発作の原因として血管病変が考えられており, MELASの脳卒中様発作時のてんかん発作重積状態に対し, 血管拡張作用を有するL-arginine静脈内投与は有効な治療法と考えられた.