2007 年 39 巻 1 号 p. 44-48
症例はepileptic spasmsのため, valproate sodium (VPA), zonisamide (ZNS) を投与していた6カ月女児である.Respiratory syncytial virus (RSV) 感染を契機に呼吸状態が増悪した.胸部CTでスリガラス影を認め, 血液検査でsurfactant protein Dおよびシリアル化糖鎖抗原KL-6の上昇を認めたため, 間質性肺炎と診断した.VPA, ZNSを中止し, ステロイド剤, 好中球エラスターゼ阻害剤などの使用により呼吸状態は改善した.病態生理として何らかのアレルギー反応が疑われたが, 検査上明らかな所見はみられなかった.本症例における間質性肺炎の増悪因子には, 生理的な血中IgAの低下やRSV感染などが考えられた.乳児のてんかん治療では, このような例も考慮する必要があると思われた.