2007 年 39 巻 3 号 p. 214-218
潰瘍性大腸炎 (UC) を合併した重症心身障害児 (者) (重症児 (者)) の4例 (8~56歳) について臨床的検討を行った. 発症年齢は3-50歳で幼児期発症も2例でみられた. 4例中2例は難治性の経過を示し, 顆粒球吸着療法や外科手術にもかかわらず, 副腎皮質ステロイド薬依存性が顕著であった. UC発症機序として, 重症感染の既往, 栄養法, 抗けいれん薬内服等との関係を検討したが, 明らかな関連を認めなかった. 重症児 (者) において反復する便潜血陽性所見を認めた場合, UCの可能性も留意し, 消化管内視鏡検査を施行することが重要であると考えられた.