脳と発達
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川崎病経過中に発症したけいれん症状の検討
島川 修一山田 勝彦原 啓太田辺 卓也玉井 浩
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2008 年 40 巻 4 号 p. 289-294

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抄録
炎症性サイトカインはけいれん発症に促進的に働き, 熱性けいれん発症の原因と考えられている. 川崎病では血中, 髄液中サイトカインが上昇するといわれているため, 川崎病に合併するけいれん症状は熱性けいれんと類似点が多いと考えた. そこで2003年11月以降2年間に経験した川崎病経過中のけいれん症状について後方視的に検討した. けいれんを合併した川崎病症例は7例で, 5例は有熱時発作であった. 低年齢に多く, 短時間に反復し, diazepam不応例の存在, 部分発作が多いなど典型的な熱性けいれんの特徴とは異なった. 脳症の1症状としてけいれんを発症している症例も含まれ, けいれん発生機序が熱性けいれんと異なると考えた.
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© 日本小児小児神経学会
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